このマニュアルは、ある程度のUNIXに関する知識と理解を前提としています。経験者ならだれでも簡単にMachTenとMachTen X Windowソフトゥエアの設定、利用が可能です。もしあなたがUNIXを快適に使っていて、UNIX環境の設定と問題解決をするローカルシステムの管理者がいることに慣れているならば、MachTenのシンプルさと使い易さが、あなたをUNIXの達人にしてくれるでしょう。もしあなたがUNIXに不慣れなら、このUser's GuideにUNIXの説明を捕捉して欲しいと思うでしょう。UNIXを操作するための説明と指導情報を提供するUNIXについての補足文書は、MachTenCDに含まれています。マッキントッシュ特有の情報については、あなたのコンピュータに付属しているMacintosh owner's guideを参照して下さい。
1.0 MachTen: Macintosh デスクトップ上のPower UNIX(R)
Macintosh のデスクトップは、Finderと呼ばれるMacintoshのシステムアプリケーションによって作成され動作します。あなたのMacintoshにMachTenをインストールしても、Finder desktopは利用できます。そしてMacintosh のアプリケーションとMachTenを簡単に切替えることができます。MachTenとMacOSは本質的に相互に独立したオペレーティングシステムとして動作し、プロセッサーを共有し、お互いの環境を強化します。MachTenを使うことによりMacintoshとUNIXのプログラムを同時に使って作業することができ、MacintoshとUNIXの文章およびアプリケーション間での"copy and paste"機能、ネットワーク化されたシステム上のプリンタなどの周辺機器やファイルを共有することなどができます。図1は、典型的なMachTenのデスクトップ表示を表しています。
Power PC Executable Format(PEF)は、動的にロードできる共有ライブラリの考えを基本にしています。このアーキテクチャにおいて、アプリケーションはプライベート空間で構成され共有ライブラリを呼び出します。アプリケーションが作成される時に、コンパイラのヘッダ呼び出し定義の要求を満たすため定義ライブラリが参照されます。アプリケーションが実行される時には、ライブラリ呼び出しを満足するため実行版のライブラリが参照されます。もし、ライブラリがすでにメモリ上にロードされている場合には、そのライブラリへのアクセスは動的リンクのプロセスを通して行なうことができます。そうでない時には、ライブラリがメモリにロードされてから動的リンクが行なわれます。ライブラリを利用する最後のクライアントが処理を終了すると、そのライブラリは割り当てを取り消され、メモリは再利用されます。
Power Macintoshのメモリマネージャは、プログラムに対しファイルをメモリにマップして提供します。アプリケーションの命令メモリの割り当ては、アプリケーションにより命令が発生する特定のページへの参照が実際に行なわれるまで延期されます。メモリが割り当てられてから、初めて命令を含む特定のページがディスクからメモリに読み込まれます。これは、大きなライブラリをせいぜい一度しか使わない場合にかなりの効果があります。
1.2.4 統合型ソフトウエア開発ツール
MachTen Power UNIXは、他のMacintosh 開発ツールを直接統合するPEFファイルのバイナリを作成します。ソフトウェアは、MetrowerksなどのAppleの開発システムと、MachTenの開発システムのアウトプットの自由な組み合わせにより作成されます。MachTenを利用することにより、UNIXソフトウェア開発ツールをMacintoshのアプリケーションを生成するために利用でき、Macintoshソフトウェア開発ツールをUNIXのアプリケーションを生成するために利用することもできます。これにより開発者は、MacOSとMachTenシステムの両方を要求する統合アプリケーションを作ることを可能にします。このような統合型のアプリケーションはMacOSとUNIXの利点を同時に得ることができます。
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